BBCドキュメンタリードラマ 「宇宙へ〜冷戦と二人の天才〜」 http://www.nhk.or.jp/kaigai/spacerace/
というわけで先週に続いて途中から見るが、今夜は豪華二本立てでかなり堪能。チャングムやってた23時にやってくれてたら良かったのにとつくづく。見られたのはR-7に使うクラスタリングエンジンの開発から両者が有人飛行を果たすところまで。
メインロケット(Second Stage)と4本のブースター(First Stage)からなるR-7。これは後に上段を追加されて、ボストーク(Vostok)・ボスホード(Voskhod)に続き現在もそのままソユーズ(Soyuz)としてソビエト・ロシアの有人ロケットとして使われているシステム。
4つの固定ノズルが並び、姿勢制御用のロケットが動く実際の映像。なるほど、あんな風にクリクリと動くものなのね。最初のR-7の打ち上げはリフトオフから90秒後、空中分解して失敗に終わる。打ち上げからどっかーんと行くまでの映像も実際の映像。
延期と失敗を乗り越え、R-7(ロケットとして改良されたR-7A)は信号を発信するスプートニク(Sputnik)1号を打ち上げることに成功、スプートニク2号では犬のライカ(Laika/Kudryavka)を宇宙へ送る。
その一方でアメリカのフォン・ブラウン(Wernher von Braun)によるロケットの、メディアを集めての打ち上げは失敗。成功の宣伝の中でもセルゲイ・コロリョフ(Sergej Pavlovich Koroljov/Sergei P. Korolev)はその存在を隠され続けているため、フォン・ブラウンソビエトでロケット開発を進めるライバルが誰なのかを知ることはできない。
失敗を重ねるアメリカに、ルナ2号、3号と月へ進むソビエト。ボストーク、自動操縦で人が乗るだけのカプセル。危険な燃料(ヒドラジン)を使うグルシュコ(Valentin Petrovitch Glushko)のエンジン開発。
将来の有人飛行に向け、再突入と回収を目指すリシーチカ(Lisichka)とチャイカ(Chayka)の乗せられたR-7は打ち上げに失敗。一月と経たないうちに次のR-7は打ち上げられ、スプートニク5号に乗せられたベルカ(Belka)とストレルカ(Strelka)は無事帰還。
アメリカにとって有人打ち上げのスケジュールをソビエトより先の日程に決めるための最後のチャンス。脱出ロケットだけがとんでいったレッドストーン(Mercury Redstone)。
ソビエトでは整備中に爆発を起こし、大被害を出す。しかしこの事故の被害は30年隠され、有人計画は続けられる。
宣伝の有効性を考慮した人選の結果、選ばれたガガーリン(Yuri Gagarin)はボストークで地球を周回。切り離されない機械船は再突入の熱でなんとか切り離され、無事だった宇宙船から飛び出しパラシュートで帰還を果たす。
アメリカはなんとか有人による弾道飛行を成功させるが、周回飛行をしたソビエトとは圧倒的な差をつけられている。
ニキシー管とか計算尺とか、細かいところに燃えるディティール。ここまで、決して楽に得た成功ではないが過程の失敗に止まることはないソビエト、一体化できない体制の問題からおくれをとりつづけるアメリカという展開。


とりあえずNASAの有人ロケット、マーキュリー計画についてはこちら http://www-pao.ksc.nasa.gov/history/mercury/mercury.htm