ロケット 衛星ラジオの打ち上げ、とか衛星通信事業

本日(現地30日午後)、シーローンチによるXMサテライトラジオの打ち上げ。27日午前(現地26日午後)に予定されていた打ち上げが延期されて今日の打ち上げになりました。告知が夏時間のPDTではなく太平洋標準であるPSTになっています。
打ち上げ14分前にライブ放送が始まり、シーローンチの社長だか会長の挨拶に、衛星の説明映像や打ち上げシーケンスの説明などで打ち上げ前の時間を過ごす。
ライブ放送を300kで見たのは少々失敗だったかもしれない。打ち上げの直前からコマ送りになったり、キャッシュ待ちになってしまったりしていいところが見えなかった。それ以降も時々引っかかる。でも100kだと画面小さくなるし。
静止画の方を見てて初めて気づいたのは、打ち上げ後のプラットフォームが赤茶けてることか。今までこんなに変色してたかと、前回の画像を引っ張り出してみたら、やっぱり赤茶けてる。打ち上げ前はいつも白いから、プラットホームの炎を受ける部分、毎回張り替えてるか塗り替えてるかしてるってことだな。
XM-4の衛星の展開がおもしろい。パラボラアンテナが短冊状に分割されている。なるほど、これなら大きさの制限がきつそう(太いフェアリングが用意されていない)なZenitでもかなり大きなアンテナを展開できる。一方で、太陽光発電のパネルはシンプルに畳まれて本体幅のまま長細く展開するだけ。複雑な構造を持たずに、確実に。アンテナは本体幅の2倍くらいで直径6mが2面、パネルは長さ4mのものを6枚伸ばして片側24mぐらいで、全体で50mぐらいになって、細長い。
衛星ラジオについて以前書いたもの(http://d.hatena.ne.jp/bebebe/20060801/p2)は少し手直したが、状況に変化があるわけではないので追記するような内容はない。
打ち上げから1時間、軌道投入に成功したと簡単な挨拶を終わらせて、今までの打ち上げダイジェストも入れてライブ放送は終了。Sea-Launchは順調に成績と実績を伸ばしている。1999年に2回、2000年に3回、以降2回-1回-3回-3回-4回ときて、今年は5回目の打ち上げ。最短で2ヶ月間隔程度だが、さすがに年内にもう1回というのはないか。
これからの予定を見てたら、もともと年内に打ち上げる予定だった2機のオペレーターが変わっている。NSS-8のNew Skies Satellitesは5月にSES Globalに買収されてSES New Skiesになり、Galaxy-18のPanAmSatは7月にIntelsatに買収されて統合へ進み、通信業界にずいぶんと変化が。
ひょっとして、JSATもどっかに吸収されちゃうんだろうかって、PanAmSatと組んでるんだった。商業的には、日本の企業としてやるより世界企業の末端としてやったほうが衛星も効率的に使えるようになるし、商売的にもよいだろうな。いちおう、JSATも新しい衛星を使って東アジア・東南アジア・オセアニア地域でのサービスも提供するようになってはいるが。もう一つの国内企業、宇宙通信(Superbird)はJSATと組んでるし、衛星専業ではないがNTTドコモJSATと組んでるし、国内勢は少々偏っている。SESに味方する国内企業がないような。アメリカ系のIntelsatと欧州系のSESの差か。
ちょっと古いがJSATにある通信衛星事情のレポートが参考になる。http://www.jsat.net/contribute/other/shingaku0304.html
現在はブロードバンド化と携帯対応の2方面が大きい動き。文中に有る2004年以降予定だったWildBlue-1は12月にアリアンで上がる。注目すべきは、石油資源の後の生き残りをかけている(過去にも書いたhttp://d.hatena.ne.jp/bebebe/20060802/p2)資金力と販売力のあるアラブ首長国連邦(Thuraya)が動き出しているということ、国境を越えて戦略的に活動する東南アジア(ACeSやiPSTAR)の進出。これから伸びる可能性の高いアジア地域で立ち上がるブロードバンド・携帯通信サービスの動き。日本でもきく8号とかWINDSとかで研究を進めてるが、商業化が遅かったら意味ない。市場を取るためにと経産省あたりが号令かけないと。通信は総務省だからだめか。