スケッチブック〜full colors #4 三人だけのスケッチ大会

雨の予報の写生会。待ち合わせに来た部員は渚先輩だけ。どうせ集まらなくて中止だと、自分の小さい車で待ち合わせに来た先生。ばっちり支度して写生会に挑む空の姿に、ノリ切れてなかった先生はあきらめて開き直り、車を走らせる。
他人を乗せるつもりのない先生のマイスペース、鶏のぬいぐるみで埋まった車。だけど助手席は空けてある。だって、運転中にぬいぐるみの山が崩れたら危ないから。おい、ガンモがいるぞ。
写生のテーマを捜す空、無邪気に自然と戯れる先輩、ねぎまのぬいぐるみを枕に寝て過ごす先生。天気を画材で感じとる空、生き物の行動で天気が見える先輩、鶏を食う夢を見る先生。行動も、見ているものも違う三人。
漫才コンビ田辺と氷室は何をするのか、日常風景。あらためて美術部員であることを確認してみてるがその先は考えない。夏海と葉月のコンビのほうは、サボってしまった写生会に思いをはせる。ケロケロケロケロと共鳴してるのはナツミか。
天気は移り変わり、雲に谷が沈み、湿った空気で景色から色は抜け、次第にひとつの色に染まってゆく。
雨が降ってきたから空は車に戻れと言って先輩の責務を果し、自分は雨の中の生き物を楽しむ先輩。帰らず変化しつづける風景を見る空。先輩に着いて行ってみると、自分には見えなかった先輩にしか見えてなかったものが見えるようになった。
雨はやがて止み雲は切れ、写生会に行った人も町に残った人達も、見ることになる同じ夕日と虹。山ならもっとよく見えるかと、もっと違った風景になるかと、次の参加を誓うサボリ組。
ねぎまぬいぐるみ、焼き鳥抱き枕、商品化されないだろうか。ついでに、焼き網シーツとタレ容器目覚ましを。