沸騰都市のそれから

事前の再放送が足りなかったのが残念だが、追跡編。どこまでが旧映像なのか混乱する。
企画時にこの結末を予想できたのだろうかと思う。取材の過程で何か感じたかもしれないけど。放送がもう半年早ければ、この「それから」だけで1年のシリーズが作れただろうに。
やっぱりP2の音楽がいい迫力。見えざる存在の力強さと畏怖と。


前半戦だった四都市。
獰猛な開発をし資産高騰に沸いたUAE、ドバイ。
多くの金が引き上げられ、それでもドバイの開発は進む。縮小も中止もあるが、全体として後退することは無い。回っていた金が消えて、資金繰りに苦しむ嵐の中の船。あぶれた資材は、他へと流れる。世界を見れば受け手もいる。

イギリスの経済都市、ロンドンに流れたロシア資産。居場所をなくし消えたタクシン。急に冷え込み経済状況は明るくない、それでも閉鎖的になるより開放政策であるほうが可能性があるとリーダーは考える。

EUの一員となるため、立ち上がるトルコ、イスタンブール
その目的どころではなく、経済援助を求める立場へと急転。資本主義をモデルとするEU派の凋落を横目に、イスラム派は独自の金融システムで生き残る。

先進国から流れる仕事で潤うバングラディシュ、ダッカ
下から突き上げる市民経済は世界的な経済危機からも取り残される。人と人の積み上げが力となる。市民が不況を感じなければ、経済は快調に回りつづける。それでも、海外からの下請け生産は、ゆっくりと伝わってくる。成長を期待しても、先が見えなくなってしまった。


だれもが、自分こそが被害者だと言う。
シンガポールの話も出るんだ。不況の割を食うのは、最も末端の人間。仕事のためだけに呼び込まれた外国人労働者たちは、仕事が無くなれば帰国せざるを得ない人たち。
出稼ぎに賭け、財産を投げうった。地盤を失った土地へ返される。外国人とは労働力の調整弁。その立場を利用して仕事と金を得たのだから、リスクも受け入れる以外の道は無い。

不況にもめげず、金を求めて、判断し、動く実業家達。ロシア、シンガポール、中東のオイルマネーに目をつけ、ドバイに手を伸ばす。大きな下落でも、それは1つの壁に過ぎないから。
不況を乗り越える宗教の結びつき。イスタンブールからイランへ、宗派すらも乗り越える。
投資は、今も世界を繋げる、金が世界をめぐる。不況をチャンスと見る人、生き残るために道を拓くもの。常に前を向いて、未来へ進む。