化物語 #3 まよいマイマイ 其ノ壹

重荷を捨てて重さを取り戻したひたぎさんの、至福な私服。自分を見て欲しいからと谷間を見せつけ、また迫る。おとなしめの服を脱ぎ、女らしさを出せる服を選び、距離を取ろうとするアララギの隣を占領する。積極的であることに遠慮が無い。これがひたぎの本質。
アララギと会ったために変わることが出来てしまった。そのお礼をしないといけないのだと理由づけ、それを果たさねば対等な立場にはなれないのだと言う。だから、どんな無理なことでも、無謀なことでも、アララギが願うのならば果たしてみせる。
どんな変態的な行為でもするという当人の薦めてくる「願い」は、友情を乗り越えそのまま取り返しのつかない将来へと繋がるもの。やたらとシモでエロなものばかりを提案する。
要求を出せないなら、せめて少しでも力になれることを。気にかけていることを口にせよ、相談せよ。そんな譲歩。
この日、アララギは妹と喧嘩した。喧嘩へと至った原因は自分の情けなさ、それなのに妹の言葉に腹を立ててる自分に嫌悪を感じている。それなりに有名な二人の妹のことを、ひたぎさんは耳聡く知っていたりする。
アララギ自身が悔いるようなひととなりを変えることはできないし、ひたぎさんは自分の利益になりそうにないその悩みの根源を解決する方法は考えない。あくまでも、ひたぎさんにできることはひたぎさんにできることだけ。
そのひたぎが欲しがっている言葉。カノジョが欲しいと口にして欲しい、カノジョになってくれと懇願して欲しい。アララギに求められて、関係を持ちたいということ。女だからかプライドなのか、それは男のほうから言わないといけないことだから。あまり隠さないストレートな、隠せてるつもりらしい物言いに、アララギははっきりと拒絶を示す。
会話とともに公園をぐるぐるぐるぐる、ひとつのところを回りつづける。答えだけを用意してある、ひたぎの一方的な身にもならない話に相槌を打ち、ツッコミを入れる。
どうでもいいことだから、他のことが気になる。視界の端に何度か入った小学生。大きなリュックを背負ってうろついている不審者。
困っている少女をほっとけないアララギさん。状況を抜け出すチャンスとこれ幸い、話し掛けるも無碍にされ、落胆しつつも果敢に繰り返し、当の少女と対話の手段を模索する。
警戒は不要と説得し、その酷い扱いに怒り、対等にあばれ、本気の付き合い。オンナノコ扱いなぞせず、スカートを翻し、パンツをさらけ出し。パンチラじゃないから恥ずかしくない
拒絶されたひたぎが、アララギから一歩引いて対応する。ひたぎさんが、小学生のメモに書かれた住所へとご案内。