映像の世紀

NHKで再放送中の映像の世紀が毎日の楽しみ。今日は第二次世界大戦。このへんの時代の映像はわりと他の番組で使われることも多い。で、みてて気になったのが、サイパン島で崖から飛び込んで自害という映像。はて、いつぞや沖縄戦の映像として紹介されたものと同じにみえたのだが気のせいだろうか。おれの見間違い聞き違い思い違いだろうか。
写真や映像というものは恐ろしいもので、添えられた解説次第で伝える内容もその印象もまったく違うものになるということ。解説を疑えと言うことではないが、解説が真実を全て語っているわけではない。個々の映像と解説とは作品全体の中で伝えたいことを表すためにある部品であり、必要なことだけを詰め込まれた何らかの意図をもって情報を選別されたものである。そのために、そこからものごとを読み取るためにはその映像や解説のバックボーンとなる事柄を知っておく必要がある。


戦局が変わって後退をするドイツ、残された市民、そこで始まる元ドイツ市民へのリンチ。ムッソリーニは処刑(しかも私刑である)され、死体が吊るされる。それらの行為はドイツが占拠地で行ったと言われることとどう違うのか。結局、その前後で苛める側と苛められる側が入れ替わっただけに過ぎない。戦争に勝った者が正義で負けた者が悪となるだけ。