飛行船


グッドイヤー社の飛行船よりも25倍大きな飛行船の下に反射鏡を取り付けることを目指している。
でかっ。グッドイヤーの飛行船は40mほどあるので、全長1㎞というサイズが想定されていることになります。マクロス級だよ。

飛行船には大きく分けて二種類がありまして、一つはグッドイヤー社に代表される風船のような軟式飛行船、もう一つがツェッペリン号に代表される骨格構造を持つ硬式飛行船。大型化には硬式飛行船のほうが先行していたのだが、ヒンデンブルク号の事故で冷めた飛行船熱と飛行機の発展で飛行船は時代遅れとされてが冷めて進化が止まってしまってしまった。
80年代に一度飛行船ブームがおきて、低コストで低空をゆっくりと飛べるその特性から広告媒体として使われたが、数年でしぼんでしまった。このときはおそらく購入した飛行船の引退でそのまま終了となったのだと思われる。
数年前から再び飛行船ブームが起きていて、昨年はグッドイヤーの飛行船が日本全国を巡業した。グッドイヤー社自身のものだけでなく、別口で広告をつけたものも飛んでいたらしい。更に、来年の夏、愛知万博の関連イベントとしてドイツ*1からツェッペリンNTも飛来する。畳んで収納できる軟式と違い、硬式飛行船の運搬は空路で飛行船そのものが飛行する大プロジェクト*2となる。なにしろ、移動速度が遅く、補充を行うための地上設備も一緒に移動しなければならないのだ。
日本でも飛行船の研究がされている。成層圏プラットホームというプロジェクトだ。去年の夏に飛行*3が行われたのだが、これを報道したメディアは無かった。日本のメディアは航空宇宙分野に疎くて厳しい。成層圏プラットホーム自体は航空というより、通信分野の研究ではあるが、従来の飛行船以上に高高度まで上がるという特徴をもち、このための実験プロジェクトである。実験で使われた飛行船は軟式で、最終的には上空で破壊し、墜落させている。日本で行われる実験としては手の込んだ部類だ。