WBS

今日のWBSWBSの域を越えた激論の場。猪口邦子(少子化担当大臣)vs榊原英資(慶応大学教授)の言い争いに、スタジオ全員交えて混戦模様で、だれも舵を取れない状態。こんなWBSちょっとない。
女性の社会進出が進んでいる国は出生率が高い、だから女性の社会進出を進め、福祉を含めた子育て環境の充実を図れば出生率は上向く。その猪口の論にがしがし噛み付く榊原。猪口の論の根拠一つ一つに反論がついて、それでも主張はゆがめない。
適当に抜き出した二つの数字を並べてもそれが相関関係あるというわけではなく、それを根拠としても意味が無く、猪口の主張してる対策は既に政府がやっていることで、その上で少子化が進んでいるのだから同じものを推し進めても無駄であり、別の対策を考えなければならない。
また、根拠として出した表の出生率の高い国、アメリカや欧州など、どれも移民を積極的に受け入れている国であるという。猪口はどうも、数字そのものは読めても表が読めず、各国の背景までは考慮していない様子。榊原は移民の受け入れも平行して進めるべきという論。
猪口も榊原も、自分の論調のための主張しかしてないのでどこまでもぶつかり合う。こんなのが大臣、こんなのが大学教授。とりあえず、女性の労働率が上がれば出生率が上がるなんて主張はいくらなんでも無茶ですよ、猪口さん。
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2005/12/22/tokushu/o1.html


福祉政策や少子化対策にある考えは、国内消費を増やすというだけのものでしかなく、名目こそ大きくても実質の経済とはならない。日本だけで閉じて経済活動をやるのならそれでもいいが、今そしてこれからの世の中それでやっていけるとは思えない。実体が伴わない、風船を膨らませているだけの経済は危うくて仕方がない。
さらには減った労働人口を補うために海外の低賃金労働者を雇えばいいという話になると、国内で回すどころか国外へ流出させることを進めようということになる。これをするためには、流出する以上の流入を確保できるようにしないとしぼむわけで。
移民による労働者の確保そのものは反対しないし、むしろ進めるべきものであると思っている。ただ、移民者を定住させることは避けるべき。定住すればいずれは年金支給の対象になり、将来的には移入した分だけ福祉費用が増えることになる。数年の労働、いわゆる出稼ぎ労働に絞り、年金等の相互性を持って本国に帰ってもらうのが経済システムとしては確実。ただこれは、当該国との賃金差が大きくないと両者にメリットを出すのが難しいが、これが機能しなくなるほどに世界が平たくなるのは相当先の話なので当面は使える手段のはず。