中華風・東洋風ファンタジー

http://d.hatena.ne.jp/REV/20070507/p4

剣と魔法の世界で、オタクが手にできるのは書物から得られる賢者の地位とか魔法・魔術なわけだし。あと、ストーリーを動かす位置に入るには、伝説の「なんちゃら」で不思議な力を持ってるくらいじゃないと。その一方で、剣を使うには剣道ということで剣道部の活躍するファンタジーも定番。
80年代、輸入品であるウィザードリーウルティマは正直良く知らないが、TRPGリプレイが世に出る中でロードス島戦記が大勢力となり、ファミコンドラゴンクエストファイナルファンタジー、アニメの世界ではダンバインがあり。
ファンタジーというものが普通に転がってるようになって、そこから一歩抜け出すにはどうするかというところで苦しみもあった時代。西洋の「剣と魔法とエルフとドラゴン」というファンタジーがあるならということで、日本や中国の世界観を持ったファンタジーがあってもいいという空気が出てきた。
そういえば、あくまでも現実世界を舞台としてはいるが、孔雀王とか帝都物語劇場版とかがあったから、そっちの影響もあるのかな。あとは、聖闘士星矢(ギリシア神話)からサムライトルーパー(和風)ときた流れもあるし、西洋から東洋へというのはひとつのスタイルでもあるが、残念なことに、シュラト(インド神話)のアジア風へと向かっても当分は受けなさそう。
結果として訪れた大きな転機はファンタジーノベル大賞の89-90年。後宮小説(雲のように風のように)が中華風ファンタジー(異世界ではないが現実とはつながりの無い中華風)だったというあたりに如実に現れている。第一回の時点でそういう傾向が出ていたようで、中華風ファンタジーが出てきたのは80年代、西洋風のファンタジーにあたりまえのように触れられるようになってファンタジーというものの共通認識が出来あがったからだと分析されていたと思う。
ちなみに十二国記は94年でも、十二国記へ繋がる魔性の子が91年。80年代中盤を西洋ファンタジーの普及期を経て、80年代末から90年代初頭が異型ファンタジーのビックバンというところか。
女性向けの異型ファンタジーとして、ふしぎ遊戯があげられはするが、その前に転生ファンタジー『扉を開けて』があり、SF要素が強いながらも夢の中で戦う異世界ファンタジーダークグリーン』があったりな。
ああ、ふしぎ遊戯十二国記のような転生系と、後宮小説彩雲国物語のような現実と切り離されたピュアなものとは分けるべきなのかな。
日本を舞台としたときに、どうしても知識として持っている史実や歴史上の人物を入れ込んでしまうのは仕方ないとして、広くて時間軸的にも大雑把にしか捕らえられてない一方で、NHKシルクロードなどのおかげでそれなりに下地になる知識が広まってる中華風というのは由来とかを無視したアレンジがしやすいという感じ。
逆に、日本以外でなら日本風ファンタジーが作られる可能性もありそうな。サムライとニンジャとショーグンとゲイシャってだけでなく、とりあえずモンスターは水木しげる方面から引っ張って来るようにして。


自分自身、89-90年頃になるが、東洋風の異世界に呼び出されるという話の設定を作ったことが。剣道部で知り合いが敵になるという、ナスカとかIZUMOとかシャニティアとかにある黄金のコンビネーションさ。
実は最近になって設定をしなおしてたりする。いまだに青春を引きずってるなんて、進歩ねぇな。主にトイレに篭ってるときに練るネタなんだけど。