食が人を育て、社会を守る

 戦後の平和主義というのは、現代だとイデオロギー的に平和が浮いているみたいだけど、歴史の実感としては、食えない人に食わせたい、子どもたちが健康であってほしい、そういう社会を実現したいということだったんだよ。
 それが戦後リベラリズムの根幹にあると言っていい。
 finalventは食い物にうるさいから、執拗に議論していると思われている面もあるし、そう見てもらってもいい。だけど、私の食の話は、そういう意味でのリベラリズムなんですよ。「家柄が食生活に出て、健康格差が広がる」の避けたい。
 卵はアルゲンになりやすいし、牛乳は乳糖消化の問題もある。でも、香川綾はそれをあえて第一群に置いた。戦後の荒野に立った香川綾のその思いが日本人を健康にした。

http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20071128/1196212353

とすると、その延長には『食育』ってのがくるんじゃないですかね。
「家柄が食生活に出て、健康格差が広がる」のは、食材・食料だけの問題じゃない。
たとえば肥満。遺伝子だと言い訳する人も多いかもしれないけれど、実際には親から子へ遺伝子のように受け継がれるミーム、食生活・食環境・食習慣によるものが大きいのではないかと思う。その中で健康的な食を普及させようとするなら、外からなんらかの力を加えるしかない。子供だけやってもしょうがないから、大人も含めて時間をかけて慣れた食の習慣を変えていく。
『食育』を「昔は良かった」的な実体の無い懐古で進めようとする人がいるからおかしくなってるんじゃないですかね。