H2O〜FOOTPRINTS IN THE SAND〜 #12(最終回) H2O

銃声ではじまるから、「パン」なのです、アバンは。
弘瀬が飛び込んだのは、母を守るため。ああ、前回のそのセリフはそういう意味だったのか。混乱する記憶から逃げて記憶を封印し、自分の見たものを消すために目を閉じ、小日向を母と呼ぶ。
小日向を殺すために猟銃を持ち出したじいさんの暴走を通報したほたる。村を支配する一家の騒動、家族の行為を追求した孫娘の存在を、マスコミは放ってはおかない。突然外の世界と繋がった村。
ほたるへ群がるよそ者を撃退する仲間たち。女の武器を使うはまじ。ずっと画面の隅のキャラだったゆきじが目立ち始める。
どうせ住む家は無いのだからどこで暮らしてもいいのだと、小日向は弘瀬と過ごすことにした。どう認識されているかに関係なく、自分を必要としてくれる人が居るということ以上のものはないのだという。
弘瀬の家は、ひろせの状況に関わろうとしない。村の外で自分達の存在を消し、村の人たちに関わらないことを選んだ人たちだから。彼らは弘瀬が母と住んでいたアパートを手放すことなく、そのまま確保していた。
長い時間をかけて、やっと本当の関係にたどり着けた唯一の友人ほたるとの別れ。弘瀬は治療という名目で村を離れ、小日向も村を去る。
最後まで小日向を許さなかったゆい様の子分二人だけが見送り。自分のことは忘れ、ゆい様の手下である二人にほたるを守ってと小日向は頼み込む。
小日向が働いて、弘瀬の世話をして二人だけで生きる。退行して入り混じる弘瀬の記憶の中に、小日向と過ごした記憶が紛れ込んでいる。今は小日向ではなく弘瀬の母として認識されているが、弘瀬が自分の存在を消してはいないのだと知り喜ぶ小日向。
今の状況は弘瀬が現実を拒否して整合性を取ろうとしているから。忘れたのではなく見なかったことにしているから。正常に戻すこともできるはずだと、弘瀬の記憶を取り戻させようと語りかけはじめる。母が弘瀬を置いて去ってしまうはずはない、弘瀬を否定したり捨てたわけではないのだと言い聞かせる。
踏み切りの音におびえる弘瀬に、母は弘瀬を大切にしていたと知って欲しい、気付いて欲しいと叫ぶ。
きっかけとなった瞬間を思い出し始めた弘瀬。自殺ではなく、子供を助けるために母は踏み切りに飛び込んだ。
目の前で起きたことがなんだったのか、母のしたことを受け入れて記憶を取り戻した弘瀬。そして現実を受け入れた弘瀬の目が開く。
弘瀬の目が最初に映したのは、子供を助けるために踏み切りに飛び込んだ小日向の姿。母ではなく、小日向を助けるために警笛を鳴らす列車の前へ走り出す。
時を経て成長した人たち。農民村長ほたる、あいかわらず食って掛かるゆい様。はまじは父になった。弘瀬は村のために働く。
現実を手に入れたらしい音羽精霊会議で無理を通し、小日向を弘瀬にあわせるために働いたのだという。


さて、踏み切りの話と葬式後に訪れた焼け跡と、音羽の言う「精霊会議」の後に小日向が姿を見せたことで、死んだ小日向を無理やり復活という見方がされているよう。
でも、踏み切りで小日向が子供を助けたのは複線の奥で、列車が通ったのは手前。ほたるだけが喪服だったことからすると、描かれたのはおそらく祖父の葬儀。今までのやり方からすると錯誤を狙わないはずは無く、小日向が死んだり重体になったりという展開はまず無い。となると精霊会議では何をしたのやら。音羽がリアルになったことのような気がするところ。