恋姫†無双 #12(最終回) 関羽、志を貫くのこと

最後に桃園の誓いを持ってくるという流れが見えたのに考えつかなかったが、なるほどこれは三国志前夜なのだ。今まで出ていた武将達はまだ立ち上がったばかりの、地方の私兵でしかない。全ては物語のプロローグ。
領民の反乱に朝廷は対応しきれず、各地の有力者に漢軍への参陣を呼びかけている。成り上がる機会だと意気を上げ、功績を求める劉備。民のためだという言葉にほだされ関羽は真意を見ないように努める。
風邪を押して、関羽とともに出陣しようとする張飛を心配し、孔明は力いっぱい止める。おなじ子供として遠慮なく振舞える張飛が相手だから、普段冷静な孔明らしくない子供らしさも発揮して。他人に言われると意地になる張飛に無理をさせまいと、関羽は優しく諭し村の守備を頼んで劉備とともに出立する。
集った武将達に向かい、悠長に成果を待つつもりはないと上から言う大将軍カシン。朝廷の威を示すためにも、力づくで賊を押さえつけることしか考えない。功を上げ、取り立ててもらうために、誰よりも先に出陣を買って出る劉備
劉備関羽の扱い方を心得え、優しい言葉で関羽の心を掴み動かす。時折見せる劉備の姿に抱いた不信も、優しくされると関羽の意識からは消えてしまう。
敗北からずっと劉備軍の隙を狙っていた山賊たちは、手薄になった今を機と見て動きだす。
村の危機を聞きながらも、劉備は目の前の戦を投げて戻ることは出来ないと切り捨てる。カシンの配下に、漢軍に入れるチャンスを逃すわけにはいかないと、村の災厄を振り返らない。大義を語りながら村人を見捨てる劉備の言葉に我慢が出来なくなった関羽。もうごまかされない。村を守る張飛の身を案じ、劉備のもとを去り、自らの信念のために馬を走らせる。
馬超は単身飛び出した関羽のために、父の仇と狙った曹操に協力を求め頭を下げる。そこまでするのは友のためなのだという馬超曹操も折れ、夏候惇に命じてひそかに手伝わせる。
村に残された兵は少なく、孔明は篭城戦の構え。関羽から任された以上、病といえど振り切って戦う張飛関羽に託された以上、約束は果たさねばならない。張飛の意志を孔明も止めることはもうしない。
急行して張飛の危機を救った関羽、避難する民に紛れどさくさで参戦してた黄忠曹操軍をつれた馬超、颯爽と登場華蝶仮面メンマ趙雲。いずれも一騎当千の強者達、集結した心強い仲間。ヒーローもので慣れた最後の熱い展開、心を繋いだ者たちが手を貸し助け合い、ピンチを脱し大逆転。
関羽なき義勇軍に待っているのは当然の結果。進めた無謀な戦いに破れ、劉備はカシンに捨てられ戻ってきた。手にする剣で璃々が気付いた劉備の真の顔。黄忠に暗殺を指示していた張本人。悪行をなすことも辞さない、乱世を利用して名をあげようとした小人物。その名も出自も嘘で固めた小悪党。
EDはオープニングで、それでもやっぱりみんなで輪になり食べるところは変わらず、キャラ総覧。
春を迎えた桃華村、花咲く桃園。関羽張飛の静かな再びの誓い。
ギャグ作品最終回のシリアス展開がつまらないなんて法則は実は存在しない。そこでこけるものもあれば、それでまとまるものもある。きっちり盛り上げ拍手拍手の大団円。