かいもの

竹本泉『あかねこの悪魔』1巻(ISBN:9784047265974)

あかねこの
現実は常に辻褄が合っている。それゆえに、辻褄の合っている物語は実在できる。存在するからこそ干渉するものが存在する。紙魚は本に記された文字を食って内容を書き換え、物語は存在しつづけようとして辻褄を合わせ内容を変え続け、やがて辻褄が合わなくなって破綻する。
つじつまを守る自称悪魔に操られ命じられ本の中に入り込み、胴の長い猫にしか見えない紙魚を狩って回り、本の世界を守る。ぴこぴこ。
つじつまが合っているからといって面白い作品であるとは限らない、面白い作品だからといってつじつまが合っているわけではない。どうしようもない話なのに面白い作品ってのはある。破綻してつまらないお話は要らない。
これはライトノベルへの批判なんじゃないかなと思う。でも、いかにもなんだこりゃな作品なのに、読みたくなってしまうものがある。一部の趣味者は後でがっかりすることを分かっていながら、普通の人が手を出さないような本を読む。

竹井10日/高見明男『10歳の保健体育』(ISBN:9784758041577)


おい!この表紙!ということで購入チェックに入れておきながらすっかり出遅れて、店頭からほとんど消えている状態。それでも意外なところに残っているものだ。なつかしいよね『隣りのランドセル)』とか。ロリものの定番ジャポニカ学習帳に、手書きクレヨン風のはじるすロゴで、タイトルは30歳の保健体育と、表紙だけでネタたっぷり。
どっかで見たようなイラストだと思ったられでぃ×ばとか、かのこんか。見覚えがある雰囲気のロリっ娘だったり、ドリルついてるお嬢様だったり。全身筋肉の美少女はおもしろいけどやや失敗気味のキャラ。
表紙からしてネタ全開。中身はすんげーバカである、バカテキストの塊である。主人公が吐き出す異常なセリフに、周囲の人はあたりまえのこととして受け流す。こともあろうに教師までもが対応できる、誰も止めることのない異常空間。最初から最後まで脳汁垂れ流しで突っ走る。
脳からあふれてしまうほどのえろーす、えろーす。小学生にはまだ早く、高校生では遅すぎる、中学生が読むえろテキスト。
そのあまりなノリに頭の中がとろけて正常な感覚を失ったところで突っ込まれてくるシリアス展開。落差を大きくすればシリアスが際立つ作戦。
10歳で止まっていた時間が10歳との出会いで動き出す。これを恋だと感じるのはまだ10歳だから。身体が10歳と心が10歳。
精神年齢が10歳だから下ネタバリバリなんだ。でも身体は10歳じゃないからエロネタガンガン行っちゃうんだ。それがこの主人公。でもって、第二次性徴に入る10歳少女が保健担当で、フリフリ筋肉同級生が体育担当だ。
なんでLOやY太が伏字で風船クラブはOKなんだ。